「仕事ができる」ことと「ストレス耐性」の違い

「ストレス耐性が高い」とは、どんな意味でしょうか?

「ストレス耐性が高い」というのは、文字通り「ストレスを感じにくい」ことを指しています。しかしこれは、必ずしも「仕事ができる」ことを意味していません。

もちろん、ストレスを感じにくい方がその仕事に取り組みやすい、その仕事が苦にならないのは確かです。しかしそれだからといって、必ずしもその仕事で他の人以上の成果が上がっていると言い切れるでしょうか…?
どのような仕事内容にストレスを感じやすいかは、人によって千差万別です。

その人がストレスを感じにくい仕事内容であれば、多少の無理難題を押し付けられても、さほど苦も無くこなすことができるでしょう。しかし、人があまりにもストレスを感じにくい、つまりその人にとって「ラクな」仕事に取り組んでいると、気持ちの緩みが生じます。そして思いがけないミスや、仕事の質の低下につながることが多く見られるのです。

反対に、ストレスを感じやすい仕事内容の場合、ほんの些細な仕事であっても大きな苦痛を感じることになるでしょう。…ところが、緊張感を持って仕事をするので、状況によってはストレス耐性の高い人よりも高い成果を出すこともしばしば起きるのです。しかし当然のことながら精神的には大きな負担を受け続けているため、こんなことを続けていれば、遅かれ早かれその重圧に押しつぶされてしまいます。

最も仕事の成果が向上する可能性が高いのは、わずかなストレス、程よい緊張感を感じる状況の中で、上手にストレス発散しながら仕事に取り組んでいる状態です。

 

最も大切なことは、人それぞれ千差万別の性格を持っている中で、自分自身の性格特徴を正しく理解して、何に対してストレスを感じやすいか、感じにくいか、弱点をカバーするためにはどんな姿勢で臨んだら良いかを、本人だけでなく周囲の人も正確に理解しておくことです。

ある分野についてストレス耐性が高い人は、自分自身で緊張感を保ち油断しないように心がけると、ミスが減り仕事の内容が向上していくでしょう。

ある分野についてストレス耐性が低い人は、ストレスを正面から受け止めるのではなく上手にやり過ごす方法と、自分の弱点を強みに変えるコツを身につけると、ストレス解消をしながら仕事に取り組むことができるようになるでしょう。

自分の性格特徴を科学的に、正確に把握しておくことで正しい対応ができるようになり、組織力がアップし、仕事の成果が上がりやすくなるのです。